■11月20日/J1第36節 ベガルタ仙台 - 湘南ベルマーレ(ユアスタ)
ベガルタ仙台が湘南ベルマーレとの残留争い直接対決に敗れた。開始わずか10分で失点すると、74分にも失点。チャンスはいくつか作ったものの、それ以上に湘南に決定機を作られての完敗。スコア以上に差をつけられた、悔しい残留直接対決だった。
試合終了時点では、他会場の清水エスパルスーサンフレッチェ広島の結果が分かっていなかったため降格は決まっていなかったが、湘南戦の黒星は事実上の“降格確定”だっただけに、スタジアムは不穏な空気に。試合後、選手がスタジアムを一周する際には、一部サポーターからヤジも飛ぶ状況だった。
その際、選手はうなだれてサポーターに頭を下げるしかなかったが、最後尾で目を真っ赤にしている選手がいた。関口訓充だ。仙台の伝統の背番号「7」を背負うベテランは、J2降格の責任を感じて涙を浮かべていた。アウターのフードをスッポリ被って隠そうとしても、無意味なほどに泣いていた。
このスタジアム一周で泣いていた選手は、関口だけだった。関口は、2011年の東日本大震災の被災を知る数少ない選手の一人で、仙台の生え抜きで初めて日本代表に選ばれた選手でもある。何より、加入したときの仙台はJ2で、昇格の難しさを知っている。だからこその涙だった。