■ファーストプレイが周囲と合わず……

 そして、湘南の1点リードの状態で“運命の瞬間”が訪れる。74分、岡本拓也が試合の行方を決定づける追加点を奪ったのだ。そして、この追加点を導いたのが、選手交代だった。

 73分、仙台は2枚の交代カードを切る。富田晋伍に代えてフォギーニョ、赤﨑秀平に代えてフェリペ・カルドーゾをピッチに送り込んだ。逆転に向けた前向きの交代策だったはずが、そのフォギーニョのファーストプレイが周囲と合わなかった。フォギーニョが上原力也に出したパスがややズレ、そこを湘南の選手がカット。そのまま得点を許してしまうことになった。仙台の交代カードが、そのまま相手を勢いづかせるものとなってしまったのだ。

「(パスが乱れて2点目を取られた)時点で万事休すだった」

 試合後、手倉森誠監督がこう振り返ったように、痛恨の出来事だった。

 終盤、センターバックのアピアタウィア久を最前線に立たせてパワープレーを試みたものの不発。結局そのまま試合は終了した。運命がかかった大一番とは思えないほど、試合内容にハッキリと差が出たゲームとなった。

 仙台は福岡、鹿島との試合を残しているが、降格が決定した状況で戦うこととなる。チームを立て直すと同時に、早期のJ1復帰を目指すが、道のりは決して平坦ではない。それでも、杜の都にJ1の灯を再び点すためには、選手だけでなく、クラブ、サポーター、スポンサーが一体にならなければならない。

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