11月16日(日本時間17日未明)に行われたワールドカップ・カタール大会のアジア最終予選で、日本代表はアウェイでのオマーン代表戦に1-0で勝利した。ホームでの敗戦の意趣返しをした格好で、中国代表と引き分けたオーストラリア代表を抜いて2位にも浮上した。
しかし、単純に喜んでいるわけにはいかない。本大会出場をめぐるレースは、年をまたいで続く。希望と課題が浮き出た日本代表の2021年最終戦を、取材歴50年を超える大住良之、後藤健生という2人のベテランサッカージャーナリストが語りつくす。
■前半の45分間を無駄にしてはいけない
後藤「前半は相手を走らせるにしても、今回のようなプレーじゃ相手も疲れないよね」
大住「45分間を無駄にするということは、後半に入るとどんどん時間は短くなり、選手は焦る。その中で無理が出て、アクシデントも起こり得る。VARもあって、失点の可能性はいつでもあるんだから。前半から攻めて1点、さらに追加点、と奪っていかないと。
アジア予選のレベルで6試合やって5得点なんて、信じられないよ。しかも、その結果にふさわしい攻撃しかしていないからね。例えばハリルホジッチ監督の時のシンガポール戦のように、星の数ほどチャンスをつくって、鬼のようにシュートを打ったけど、0-0で引き分けたというんじゃない。チャンス自体できていないし、できる雰囲気もない。前の選手が、ボールを持ってかわそうとしたり、パス出そうとすると、全部相手に取られている。今日も点を取ったし、前回のベトナム戦では素晴らしい幻のゴールがあった伊東純也も、今回は全然良くなかった」
後藤「前回活躍したから相手が抑えにきたとはいえ、あの程度の相手に抑えられちゃうんだ、という話だよね。相手のサイドバックも、結構足が速かったとはいってもね」