■「支配されたという言葉では表現できないくらい、前半は押し込まれた」

 実際、浦和のDFアレクサンダー・ショルツは「支配されたという言葉では表現できないくらい、前半は押し込まれた」と話し、古巣対決となった西大伍も「最初に何回か引っかかってしまって、ちょっと怖がってしまったかな」と振り返った。

 この試合で鹿島が選択したのは、ラインをしっかり保って強度高くプレーすることだった。そして、浦和陣地でプレー時間を長くすることだった。この試合でマンオブザマッチに選ばれたDF安西幸輝は、ハーフタイム中に「しっかりブロックを敷いて戦おう」と話し合っていたことを明かしているし、「僕らの陣地でボールを動かされると面倒くさいので、僕がガンガン上がって(西)大伍君を出さないようにして、うまく押し込めた」と話していた。鹿島は描いていたゲームプランを見事に遂行したのだ。

 終盤、浦和はセンターバックの槙野智章を前線に投入し、身長182センチと強靭なフィジカルを生かして得点を狙ったが、鹿島はそれにも冷静に対応した。槙野投入の1分後にはDF犬飼智也を送り込み、ゴール前にセンターバック3枚を並べた。それまでとは違った攻め方に戸惑う部分もあったかもしれないが、、この日の鹿島にとって3分+アディショナルタイムを守り切ることは難しいことではなかった。

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