■強度低下は交代カードで補うプラン
得点はコーナーキックからだった。鹿島にとって右コーナーキックの崩れから、土居聖真が押し込んだものだ。これがクラブ通算1700ゴール目となる節目の得点。チャンスを作りながらも決められなければ、セットプレーから奪うという、鹿島らしさが表れた記念ゴールだった。
後半になっても、大きな流れは変わらない。鹿島は前半同様に強度で勝負し、体力的に落ちてきたときには交代カードで対応した。
「われわれが前半でだいぶ足を使った分、(後半は)押し込まれる展開になることは想定していた」
相馬直樹監督がこう話したことから、前半のうちに浦和の出鼻をくじこうとしていたことが分かる。そして、「後ろに人を増やしていくか、前のチェイスの部分を含めて起点になること、攻撃の起点になることを含めて手を入れていこうという中で」(相馬監督)、エヴェラウドや荒木遼太郎をピッチに送り込んだ。さらに最終的には、犬飼智也を投入して3バック+ウイングバックの5枚をそろえる徹底ぶりだった。最初から最後まで強度を落とすことは考えていなかった。
内容的に鹿島は完勝と言えるものだったが、一方で相馬監督は、試合後にある懸念材料を口にしたのだ。