【明治安田J1リーグ 第35節 清水エスパルスvs北海道コンサドーレ札幌 2021年11月6日 14:03キックオフ】
1-2のビハインドで迎えた67分、「下がるなよ!」と仲間から声をかけられてゴール裏のウォームアップエリアからベンチへ向かった滝裕太は、平岡弘章監督に優しく背中を押されて送り出された。
ここまでリーグ戦で11試合に出場しながらも、スタメンは8月のマリノス戦のみ。武者修行から帰ってきたものの出場機会は多くはなく、ゴールもアシストも記録できていなかった滝にとっても、結果が必要だった。
それまでチアゴ・サンタナのフィジカルに起点も終点も頼っていた清水は、先制こそ成功したものの、ピッチを広く使って戦う札幌に対してゾーンで構えたことで押し込まれ続ける窮屈な試合になってしまっていた。
ロティーナ監督の解任から2日という準備期間で「守備のスイッチの入れ方を変えようと思ったが、上手くいかなかった」(平岡監督)という状況に陥ってしまった清水だったが、58分に鈴木義宜が最終ラインに投入されたことで劇的に改善する。
「特に前半は、外から見ていてラインコントロールのところでもう少し細かく上げるタイミングがあった」と試合後に振り返った鈴木の働きによってチーム全体で押し上げることができるようになると、同時刻に選手交代を行ったこともあり、札幌が選手への付き方で混乱し上手くいかなくなった。67分という時間は、これからチャンスが増えていこうかというタイミングだった。