■後半途中から直接マッチアップ

 この日の前田は、ウイングではなく3トップ中央で先発。長友は定位置の左サイドバックでの出場だった。前半は2人が直接ぶつかることはなかったものの、長友がポジションを移したことで後半途中からはメインスタンド側のサイドでマッチアップすることが多く、日の丸を背負うプライドのぶつかり合いが見られた。

 しかし、この日、輝いたのは若き前田だ。前田が先制ゴールを含むハットトリックを決めたのに対し、長友はゴールに絡むことができなかった。そればかりか、攻守両面でチームに力を与えることができず、前田とのマッチアップでも競り負ける場面が見られた。数少ない日本代表国内組の対決だったが、明暗がハッキリと浮かび上がる結果と内容だった。

 前田は一挙3ゴールを積み上げたことで、今季の総ゴール数を「21」とした。これは、2位のレアンドロ・ダミアン(川崎)の17ゴールを一気に引き離すもので、得点王を快走する数字。前田がハットトリックを決めたのは今季2度目で、ニッパツスタジアムで行われた8月15日の大分戦以来だ。前田はJリーグの最多スコアラーとして、日の丸を背負うことになる。

「最高のプレーを見せてくれました」

 前田をこう絶賛したケヴィン・マスカット監督は、「裏への抜け出し、中央の突破ができるので、FC東京を苦しめると思い配置しました」とセンターフォワードでの起用の意図を明かした。

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