■ルヴァンカップ決勝 名古屋グランパスvsセレッソ大阪 10月30日13時9分キックオフ(埼玉スタジアム2002)
序盤から勢いを出したのは名古屋グランパスだった。ボールを前へと積極的に動かし、セレッソ大阪に奪いどころを絞らせない。だが時間が経つにつれ、C大阪の前線からのプレスがはまる場面が増えていく。
流れは徐々にC大阪に傾いていった。名古屋の最終ラインの裏、あるいは大きなサイドチェンジで堅陣を揺さぶりにかかる。34分には松田陸が名古屋ゴール前にボールを送り込み、ファーサイドに詰めた山田寛人が名古屋に冷や汗をかかせる場面もあった。
後半開始から、試合に動きがあった。C大阪はハーフタイムに、山田に代えて清武弘嗣を送り出す。フォーメーションも清武をトップ下に入れた4-2-3-1へと変更した。
一方の名古屋は前半と同じメンバーで後半に入ったが、試合を動かすことに成功する。後半開始から2分後、前半は対面のC大阪DF松田陸に主導権を握られていた名古屋の左MF相馬勇紀が、カウンターを狙ったミドルパスで飛び出す。相馬が奪ったCKをファーサイドで前田直輝が頭で押し込み、名古屋が先制した。
このゴールで、両チームが慌ただしく動き出す。C大阪は1トップに大ベテランの大久保嘉人を送り込んだ。その3分後には、名古屋が2枚替え。長澤和樹と齋藤学を投入して、フォーメーションも変更した。4-2-3-1から4-3-3へ、さらには木本恭生を中盤の底から最終ラインへ下げた実質5バックへと布陣を変えていった。
C大阪でも、交代選手が怖さを見せる。1トップに入った大久保だ。76分にはCKの流れから松田のボレーに、シュートが打たれる前から反応しており、もう少しでボールに触れてゴールネットを揺らしそうなプレーを披露していた。
だが、次のゴールは名古屋に生まれた。自陣からのカウンターで、齋藤のドリブルから最後はシュヴィルツォクがシュート。これはC大阪GKキム・ジンヒョンに防がれたが、こぼれ球に詰めていたのが稲垣祥。長い距離を走ってきた稲垣は、しっかりボールを叩きつけるボレーを放ち、大きな追加点を挙げた。
ウノ・ゼロ(イタリア語で1-0)での勝利を得意とする名古屋が点差を広げれば、堅陣を崩す難易度はさらに増す。さらに攻勢を強めるC大阪だったがゴールを奪うことはできず。名古屋がうれしいルヴァンカップ初優勝を果たした。
■ 名古屋グランパス 2-0 セレッソ大阪
■得点者
47分 前田直輝(名古屋)
79分 稲垣祥(名古屋)