■ロドリゲス監督「縦へのプレーが増えたことが日本の勝利につながった」

 スペイン人のロドリゲス監督は、2017年から4年間、徳島ヴォルティスで監督を務めた。去年のシーズンは徳島をJ1昇格へと導き、今シーズンから浦和で指揮を執っている。自身が理想とするのは、ボールを支配し、選手が連動しながら仕掛けるという攻撃的なプレー。

 その手腕は誰もが知るところであり、去年の徳島のJ2優勝もさることながら、今シーズンにおいても開幕前から浦和でチームを一から作り上げ、新しいスタイルを築き上げた。浦和はリーグ戦で現在5位と、来季のACL出場権が与えられる3位フィニッシュも射程圏内。また、ルヴァンカップは準決勝で敗れたものの、天皇杯の可能性も残していて、ロドリゲス監督の功績は大きい。

 10月12日に行われたオーストラリア戦は埼玉スタジアムで行われたが、浦和のホームスタジアムでもあり、ロドリゲス監督にとっては馴染みの場所だ。オーストラリア戦の直後に行われた監督会見で、ロドリゲス監督は試合の印象について問われると、「とても良かったと思う。良いゲームでした」と話し、自身の見解を述べた。

「オーストラリアもポテンシャルがあるチームで、(相手のシュートが)ポスト直撃などの場面もあったが、日本代表もしっかりと戦ってゴールも決めたし、それ以外のところでもチャンスを作っていた。引き分けかと思われていた時間帯で、日本代表のベンチに動きがあり、交代で状況を変えたと思う。

 縦へのプレーが増えたことが、勝利につながった。しっかりとプレスも効いていたので、オーストラリアよりも良い内容でプレーしていたし、勝利に値したと思う。コンビネーションも良く、右サイドの伊東(純也)選手の縦へのプレーも非常に良かったと思います」と、後半の交代が試合の流れを変えたと評した。

 実は来日前には、サウジアラビア代表のスタッフを務め、タイのプレミアリーグでもチームを率いたことがあるロドリゲス監督。日本の文化にも精通し、徳島時代には地元の夏祭りや阿波踊りの大会に積極的に参加するなど、徳島のサポーターからも愛されている。

 そういった意味では、他の外国人監督よりもアジアや日本のサッカーを違った角度から見ているように思うが、その眼には現在の日本代表はどのように映っているのだろうか。

(2)へ続く
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