相馬直樹監督「ある程度、想像できていた」

 両チームともに決定機を作るものの、決められない。そのたびに生まれるため息がスタジアムに充満していったが、それを断ち切ったのはセットプレーだった。前半アディショナルタイムに右サイドで得たフリーキックを、アルトゥール・カイキが頭で合わせてゴールネットを揺らしたのだ。

 1点をリードして迎えた後半は、鹿島がリズムを掴む。ハーフタイムで交代となった三竿健斗に代わって入ったレオ・シルバがボールを奪い、さらにリズムを作る。そして65分、上田が追加点を奪い取る。右サイドでボールを受けた土居が、相手選手をうまくいなして送ったマイナスクロスを上田がシュート。一度はブロックされたものの、そのはねかえりを冷静に蹴り込んだのだ。勝利を大きく手繰り寄せる2点差だった。

 75分にFC東京にゴールを許して1点差とされたために、上田のこのゴールが決勝点となったが、上田がゴールを決めたのは準備していたものだった。

「FC東京さんが前からボールを奪いに来ることはある程度、想像できていた」と相馬直樹監督が試合後に振り返ったように、鹿島はロングボールを織り交ぜて戦った。その際にターゲットとなるのは、裏への抜け出しに優れた上田。敵将も「クリアボールが上田に入ってセカンドボールを拾われてつながれるという形があった。ちょっとイヤな展開」と試合後に話したのは、鹿島としてはうまくハマったというべきだろう。

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