■10月12日/W杯アジア最終予選 日本代表ーオーストラリア代表(埼玉スタジアム)
森保一監督の解任騒動に、W杯出場の黄信号という重苦しい空気で迎えたオーストラリア戦。試合が終わってみれば、観客も選手も高揚感に包まれた状態となった。スターティングメンバーを第3戦から3人入れ替え、システムも森保ジャパンの代名詞である4-2-3-1から4-3-3に変更。“変革”を決断して勝利という結果を手に入れた。試合終了を告げるホイッスルが鳴ると、ベンチにいた選手も一斉に喜び、ピッチに駆け出すほど、選手は重圧を感じていた。
一方で、出られなかった選手たちもただ喜んでいたわけではない。
試合後、観客が帰るピッチで居残りランをする光景が見られた。その選手とは、板倉滉、原口元気、植田直通、室屋成の4人だ。この日ベンチ入りした選手は12人。そのうち4人が途中出場したので、出られなかった選手は8人いた。その半数が、じくじたる思いを胸にピッチを走った。
試合後に選手全員でスタジアムを1周してロッカールームに引きあげたあと、4人はピッチに戻ってきた。そして、メインスタンドから見て左側に集まると、4人は一斉にピッチを縦に猛ダッシュし始めたのだ。