■指揮官が大声で叫んだ言葉
しかしその後、ピッチに戻ってきた男がいた。それが森保監督だ。
「MORIYASU」と書かれた横断幕が掲げられたエリアに向かうとサポーターに向かって大声を絞り出した。そしてそのまま時計回りにスタジアムを一周。ところどころで声をふりしぼり、サポーターに共闘を呼び掛けた。それは、自らの決意を示すかのようだった。
「一緒にW杯に行きましょう!」
「一緒に戦いましょう!」
東京五輪に挑む最後のテストマッチであるU-24スペイン戦で、森保監督は選手と一緒にノエスタを一周したが、そのときはサポーターに言葉を発しなかった。今回は、複数の箇所で声を振り絞った。解任報道から解放されたからこその行動だったのだろう。
W杯最終予選はまだ続く。次戦は11月11日のベトナム戦。アウェイで勝利をつかみ、カタールへの道をこじ開ける。