■試合終了で小走りしたイタリア人指揮官
スコアを1-2とした名古屋は、残りの10分間+アディショナルタイム6分を逃げ切るだけだった。89分、指揮官は3枚目のカードを切る。ピッチに投入したのは、ベンチ入りしたDF登録の2選手ではなく、FW登録の相馬勇紀。前傾姿勢で逃げ切れというベンチからの合図だった。
相馬がサイドでボールを持ちながら、名古屋は決勝進出へとカウントダウンを始める。主審が試合終了のホイッスルを鳴らした瞬間、マッシモはメインスタンドに向かってガッツポーズをすると、次の瞬間m小走りでベンチのスタッフと喜びを共有した。厳格なイタリア人指揮官は、勝ったのだ。
苦しい90分を勝ち抜いて、名古屋グランパスは初めてルヴァン杯の決勝へと進むこととなった。目指すはタイトルだが、マッシモ名古屋が本当に目指すものは、その先にある。