■日本代表SBが日本代表SBの裏を取った得点シーン

 浦和レッズがボールを支配する中、江坂任が右サイドにサイドチェンジ。高い位置で酒井がトラップすると、平野佑一柴戸海、再び平野とボールを回す。

 その間にペナルティエリア内に走り込んでいた酒井に対し、平野がスルーパスを送る。このスルーパスで裏を取られることになった長友はすぐに反転。酒井がシュートモーションに入るやFC東京の50番はブロックしようと足を投げだすが、シュートはその足にかすることなく、さらにはGK波多野豪の股を抜いてゴールネットを揺らしたのだ。

 このゴールは当初オフサイドの判定だったが、VARが介入してゴールとして認められた。開始わずか36秒の失点に絡んだミスを、自らのゴールで帳消しにしてみせた。日本代表SBが日本代表SBの裏を取った得点シーンとなった。

「僕のミスで失点して、あの1点が大きなものになっていたので、試合を振り出しに戻すことができてうれしかった」

 酒井は同点ゴールを試合後にこう振り返った。Jリーグでは9年ぶりとなるゴールを、日本代表サイドバック対決で決めて見せた。

 前半はこのまま終了。1―1のイーブンで試合を折り返すこととなった。前半45分で生まれた2つのゴールは、日本代表サイドバックの両者が失点シーンに絡んだうえ、さらにその一人は得点をする意外な展開となった。ところが、後半45分はさらに波乱の展開となったのである。


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