【サッカーW杯最終予選】日本完敗の激論(3)「これはダメだ」と思った失点直前の中断シーン「10試合で勝ち点20ならOKだけど…次の中国戦は絶対に負けられない」の画像
失点シーンの日本代表・吉田麻也と植田直通 写真:中地拓也

森保一監督が率いるサッカー日本代表が、2022カタールワールドカップ出場を懸けて臨んだアジア最終予選の初戦は、ホームで0−1という敗戦となった。2大会連続で初戦を落とした日本代表は、6チームホームアンドアウェーの総当たり全10戦を戦い抜き、ワールドカップ出場を手にすることはできるのかーー。取材歴50年を超える大住良之、後藤健生のサッカージャーナリストが縦横無尽に語り尽くす!

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後藤「今回みたいに、全員があそこまでコンディションが悪かったら、サッカーなんてできないよね」

大住「最初は遠藤航がうまく打開をして、パスをどんどん出していたんだけど、徐々にそういうのもなくなった。それにオマーンの守備は良かったけど、それをチームとしてどう崩すのかというのもなかったしね」

後藤「ゲームの入りとして慎重に行くのは悪くない、けどそれがダメそうなら変化をつけなくてはいけないのに、それが選手も監督もできなかった」

大住「たとえば、伊東純也原口元気がダイアゴナルに動くとか、そういう風にかき乱さないといけないのに両方とも張り付いたままで、まさに相手の思うつぼだったね。もうちょっと、ひとりひとりのアイデアがないと崩せないよ。相手は研究してくるんだから」

後藤「あれだけ経験のある選手がいたのに、どうして攻守ともにそういう判断ができないのかな。それが不思議だよね。失点の場面だって、左サイドで3回くらい相手にやられていたんでしょ、それで最後に決められたんだから。20番のアルヤヒエイがヌルヌルと出てくるのを見たなら、“あそこでどうにか止めようぜ”って話すとか。なんで、そういうのができなかったんだろう」

大住「それまではクロスが大きかったり、合わなかったりして点は取られていなかったけど、いつ点を取られていても不思議じゃない状況だったよね」

後藤「中央に固まったところから、20番のアルヤヒエイは左のほうに変なタイミングで出てくるんだよ。それは前半からやっていたことで、だんだんとハマってきていたわけじゃない。そんなのピッチ上の選手だって気が付かないわけじゃないんだから、なんであそこを抑えようとしなかったのか。

 それに、僕が一番印象に残ったのは点を取られる前。80分くらいに相手の14番のアムジャド・アルハルティがケガをして倒れて、担架で運ばれた場面があったでしょ?その間に、選手たちは色々と話し合いをするのかと思ったら、誰もしゃべっていなかったんだよね」

大住「ボーっとしていたよね」

後藤「もう残り10分くらいなんだから、これからどうやって崩すか、あるいは引き分けでいいからしっかり守って終わらせようとか、そういう話を選手たちは全然していなかったからね。そして、ベンチからも何も言われない。

あの場面を見てね、“これはダメだ”と思ったんだよね」

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