■直前で見せた動き直し

 その先制点を生んだのは、荒木の“機転”だった。ゴールが生まれる直前、土居聖真が右サイドを持ち上がった。その瞬間、荒木は「中に入って最初は相手の前でクロスに触ろうと思った」というが、それでは「厳しい」と感じため、急遽「ファーサイドにちょっと逃げた」という。この動き直しが、伝統の一戦でスコアを動かすこととなった。

 荒木の昨季のリーグ成績は、26試合2得点。今年は11試合を残したながら、25試合9得点。デビュー年と比較して、得点力を飛躍させている。それに比例するように、チームの順位も1つ上がって、暫定ながら3位に浮上した。成長著しい19歳が、常勝軍団をさらなる高みに連れていってくれそうだ。

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