■助っ人外国人を補強も、合流までに時間がかかる見込み
しかも、首位逆転を見据える横浜にとって、有利な状況がいくつかある。まずは、川崎フロンターレの選手層の問題だ。川崎は今夏、三笘薫と田中碧という主軸2人がチームを離れることとなった。さらに現在、10番・大島僚太と日本代表DF谷口彰悟の2人が負傷で戦列を離れている。大島と谷口はいずれ戻ってくるとはいえ、三笘と田中の穴は影響力が大きい。
特に三笘の穴は大きい。分かっていても止められないドリブルはJリーグで“無双”を見せていた。現在、長谷川竜也が先発起用され、さらにACLで頭角を現した若きドリブラーのFW宮城天が存在感を強めているが、三笘のような活躍をすぐに見せるのは難しい状況だ。8月13日、ブラジル人FWマルシーニョの獲得を発表したものの合流まで時間がかかる見込みとなっている。
川崎がチームとして掲げる目標は「1試合3得点」だが、5月22日の横浜FC戦以来、3得点を奪った試合はない。さらに、ここ2試合は今季初となる連続ドローとなっており、しかも前節・大分戦では今季初のノーゴールに終わっていた。広島戦では、らしくないパスミスを連発した他、以前であれば決まっていたコンビネーションが不発に終わる場面を何度も見せてしまっていた。
一方、横浜も13得点を記録していたFWオナイウ阿道が海外移籍したものの、ハットトリックを決めるなど9番・レオ・セアラが本領を発揮しつつある。オナイウの移籍以降、得点力に陰りがあるどころか、むしろチーム全体で好調さを見せているだけに、勢いは横浜にありそうだ。