東京オリンピックサッカー総括(3)2022年「カタールW杯の戦い方」の画像
森保一日本代表監督 写真:中地拓也

メキシコとの3位決定戦に敗れた東京オリンピック日本代表は、手ぶらで家に帰ることになった。しかし、さまざまなサッカーの果実を得ることもできた。なかでも貴重だったのが、「次のワールドカップでベスト8以上に進出し、また3年後のパリ・オリンピックで決勝に進出するための方法」だ。これを有効に活用できるのか、宝の持ちぐされに終わらせてしまうのか。そこに日本サッカーの明日がかかっている——。

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■AFCはワールドカップの予選方式の変更を

 また、代表チームとしては強い相手との対戦を増やしていくしかない。

 現在の代表チームは、新型コロナウイルス感染症の影響でワールドカップ2次予選が中断したのを利用して、2020年秋に海外組だけの構成だったにしても、オランダとオーストリアを舞台にアフリカの強豪やメキシコとの対戦を実現した。

 ただ、2021年に入ってからは、ワールドカップ予選が再開されたため格下との対戦が多くなり、強い相手との対戦は3月の韓国戦とUー24代表がオリンピック直前に行ったスペインとの準備試合だけになってしまった。

 アジア・サッカー連盟(AFC)は、アジア予選の方式を変更してワールドカップで上位進出を目指す日本や韓国、イラン、オーストラリアなどが、ミャンマーやモンゴルといった、はるか格下のチームと対戦しないですむようにすべきだ。日本としては、他の強豪国と協力してなんとかAFCに対して働きかけをしていくべきだ(アジアの代表が強化されてワールドカップで上位に入ることは、AFC自身にとっても利益になるはず)。そして、予選が今のままの方式で行われるにしても、その隙間の日程を利用して強豪国との対戦を増やすべきだ。

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