■観戦しづらい東日本のスタジアム

 7月21日に開幕した(開会式は同23日)東京オリンピックのサッカー競技では、北海道および東日本の7か所のスタジアムが使用されている。

 北から、北海道の札幌ドーム、宮城県の宮城スタジアム(キューアンドエースタジアムみやぎ)、茨城県のカシマサッカースタジアム、埼玉県の埼玉スタジアム2002、東京都の国立競技場と東京スタジアム(味の素スタジアム)、そして神奈川県横浜市の横浜国際総合競技場(日産スタジアム)である(国立競技場は女子の決勝のみ)。

 しかし、このうちサッカー専用スタジアムは埼玉とカシマだけだ。札幌ドームは野球との兼用であり、他の4か所はいずれも陸上競技場だ。

 専用スタジアムと比較すれば、陸上競技場ではサッカーの試合が見づらいのは当然のことだ。

 トラックが存在するからスタンドからピッチまでの距離は当然遠くなるし、また、サッカーの試合は俯瞰的に見ることによって選手の配置や動きがよく見えるのだが、陸上競技場ではスタンドからピッチを見下ろす「俯角」が浅くなってしまう(ちなみに、国立競技場は取り壊されてしまった旧競技場も新しく建設された現在の競技場もトラックからスタンドまでの距離が短く、その分、サッカーのピッチまでも近いので陸上競技場としては試合が見やすい設計になっている)。 

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