■「木下はラッキーガールまではいかない感じだったね」

―女子サッカーのグランドデザインは示してもらえるのでしょうか?

大住「なにか上手くいってほしいけどね」

後藤「偶然チームができてくるとかね。それこそラッキーガールが現れたっていいんだよ」

大住「木下はラッキーガールまではいかない感じだったね、遠慮していると言うか、ちょっと早かったなという感じがした」

後藤「まだ荷が重いかもね」

大住「遠藤純は負のサイクルに陥っているし」

後藤「強い相手と戦うと、それが反転する可能性だってあるよ。それだけのポテンシャルはあるから」

大住「監督も遠藤に対する期待が過剰だと思うな。救世主になってくれ、って言う感じが使いかたに表れている。真ん中に使ったり、サイドで使ったり」

後藤「この間、大住さんが褒めすぎたせいじゃないですか?」

大住「ははは。けど、遠藤にはそれだけの才能があるんだよ。敵との間合いを試合の中で1度掴んでしまえば、あとはボンボンと行けそうな気がするんだけど、それが掴めないまま悪くなってしまっている感じ」

―かつての丸山桂里奈みたいなラッキーガール的な選手はまだいないですね。

大住「本当にね。ドイツ戦のあのゴールなんて、丸山じゃないと決められないよね。普通ならパス先を探しちゃう」

後藤「そういうタイプがいないよ。真面目な子ばっかりだから」

―体力は温存しないで、前半からファイトしてほしいですね。

大住「そりゃそうだよ。5人代えられるんだからさ」

後藤「計算して戦えるようなチーム状況ではない」

大住「代えたくないような選手でも代える、とにかく戦える選手を並べておくと言う意識で戦わないと。たとえばね、岩渕が外せないな、と思った瞬間に、そこが穴になるんだよ。フランス戦の森保監督は、そこらへんの切り替えがすごく速かった。もちろん監督にだって、うまくいくときといかない時があるんだろうけどさ」

後藤「チリ戦を見ながらメモをとっていたんだけど、前半の35分くらいのところで、岩渕が故障のあとはキレがないな、では代えるかな、って書いてあるんだよ。でも1発があるから高倉監督は置いておきたいだろうな、とも書いてあって、そのまま試合が進んで、結局は最後に岩渕が働いたからね。だから、その点は心中するしかないよね。このチームは、そうやって戦ってきたんだから」

大住「岩渕はそうかもしれない。けど、他の選手は15人で戦うつもりでいないと」

後藤「とにかく果敢に先制点を取りに行って、そしたら相手のミスも生まれてくるだろう、っていう感じの戦いかたをしないとね」

大住「そうね。粘って粘って粘って、後半なかばまで失点なしで、そこで相手がバランスを崩したところで点を奪って、あとは必死に逃げる。そういう形しかないんじゃないかな」

後藤「ゴール前に持ち込んだらVARでPKがもらえるかもしれないし。ほかにも、シュートしたら相手がハンドで止めて退場になって、そのうえPKがもらえたとかさ。そういうラッキーを引き寄せないと」

第7回につづく
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