【EURO2020決勝】イタリア対イングランドの激闘(2)イングランド「勝負の合図」も…力尽きたPK戦の画像
PK決着の直後イタリアGKのドンナルンマを見つめるイングランドGKピックフォード 写真:代表撮影/ロイター/アフロ

UEFA EURO2020 決勝 イタリアvsイングランド 2021年7月11日(日本時間28:00キックオフ)】

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 この大会でのサウスゲート監督の采配は非常に現実的だ。リスクを極力抑えて時間を進め、どこかで1点奪って勝つ。

 その「どこか」は、ジャック・グリーリッシュの投入が合図になっていた。

 準決勝では同点の69分にグリーリッシュを投入し、104分に勝ち越すと直後に途中交代でベンチに戻した。彼がいる時間が勝ちに行く時間であり、4バックに変更したこの交代は、まだそのタイミングというわけではなかった。あくまでもそのままやられるのを回避するためのものでしかなく、これは延長戦への突入を考慮していることを表していた。

 グリーリッシュが投入されたのは、延長に入ってしばらく経った99分のことだ。残りは約20分。これが、今のイングランドがあくまでも負けずに勝ちに行くことができる限界ということだった。しかし、レオナルド・ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニが中心となったイタリアの守備を破ることはできなかった。

 PK戦では、120分にPK要員として投入されていたマーカス・ラッシュフォードジェイドン・サンチョが立て続けに失敗。決められれば負け、という状況でジョーダン・ピックフォードが魂のセーブを見せてスタジアムを揺らすも、直後にサカがジャンルイジ・ドンナルンマに止められて勝負あり。ウェンブリーでカップを掲げたのはアッズーリだった。 

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