【J1分析】浦和、“鬼門”破れず敗戦(1)ボール保持率69%と圧倒も…リカルド監督が指摘した「ミスやコントロールのズレ」の画像
浦和のリカルド・ロドリゲス監督 撮影:中地拓也

■7月10日/J1第22節 大分トリニータ浦和レッズ (昭和電工)

 10日に行われたJ1第22節、昭和電工ドーム大分で行なわれた大分トリニータと浦和レッズの試合は、先制した大分が守り切り、1-0で勝利した。大分は、直近のリーグ戦では4試合連続で無得点。およそ1か月間、ゴールを挙げていなかったが、見事に浦和の守備網を崩し切った。

 一方、浦和にとって、今節で勝利すればACL出場圏内の3位に浮上する可能性があった。しかし、アウェーの大分戦は2004年に勝利したのを最後に、両者がJ1で対峙した8シーズン、敵地での勝ち星がない。いわゆる”鬼門“と呼ばれるスタジアムでまたしてもジンクスに屈し、4試合ぶりの敗戦となった。

 直近の戦績を比較すると、攻撃の厚みがある浦和が圧倒するだろう、と誰もが予想したはずだ。しかし、前半の立ち上がりから不穏な空気はあった。ビルドアップから攻撃を丁寧に組み立てようとする浦和だったが、直近の試合で見られたような効果的なパス回しや選手同士の連動性、前線への推進力は鳴りを潜めていた。ボールを握るものの、味方へのパスはズレがちで、むしろ高い位置からプレッシャーをかける大分に苦戦を強いられた

 前半4分には、大分のMF小林成豪にドリブルで仕掛けられ、開始早々にピンチを迎える。ここは相手のオフサイドに救われたが、その後も大分のFW長沢駿やMF町田也真人らが前線からボールを奪おうとプレスをかけると、浦和はミスが続き、バックパスの選択が多くなった。

 試合が動いたのは前半12分。自陣でボールを奪われると、大分がショートカウンターを仕掛ける。自陣右サイドのクロスから、ファーサイドでフリーになった町田にヘディングで決められ、相手に先制を許す。4月に浦和のホームで行われた前回対戦でも、町田には2ゴールを奪われていて、今シーズンは3得点を許す形になってしまった。

 序盤は完全に大分のペースになり、失点後も相手が攻勢を強める。前半14分には再び大分の決定機が訪れた。バックパスのミスを拾われ、フリーの長沢がGK西川周作と1対1になるが、このシュートは枠外に外れた。また前半23分には長沢がポストプレーでボールをキープし、町田がミドルシュートで追加点を狙うが、ここは西川が好反応で阻止する。

 浦和は前半だけで70%という高いポゼッション率を打ち立てるものの、ほとんど自陣でのプレーを強いられた。前線で待ち構えるFWキャスパー・ユンカーも終始、両手を大きく広げてアピールするが、ユンカーの位置までボールを運べない場面が続く。前半アディショナルタイムにようやくMF柴戸海がミドルシュートを打つにとどまり、シュート数も1本のみで、0-1のまま前半を終えた。

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