■いまはまだレギュラーではない選手の活躍が求められる
これまでのW杯の道のりを振り返ると、最終予選の開幕前は期待を集めていなかった選手が、決定的な働きをしている。フランスW杯最終予選なら中山雅史であり、ドイツW杯最終予選なら大黒将志であり、南アフリカW杯最終予選なら岡崎慎司だろう。岡崎は最終予選開幕後に代表デビューし、ウズベキスタンとのアウェイゲームでW杯出場を決めるゴールを決めた。
ブラジルW杯最終予選は、長谷部誠、本田圭佑、香川真司、岡崎らのレギュラー陣がチームを牽引した。新戦力の台頭がほぼなかった唯一のケースと言える。続くロシアW杯最終予選では浅野拓磨、久保裕也、井手口陽介らの16年リオ五輪代表世代がヴァイッド・ハリルホジッチ監督に抜擢され、勝利に結びつく仕事をした。
森保監督のチームは、戦力が充実している。すでにスタメンは固まっている印象だが、いまはまだリストの後方にいる選手、あるいはリストに名前の載っていない選手の活躍も、W杯出場の扉を開くには必要になってくるはずだ。
監督采配もカギになる。
ロシアW杯最終予選では、アウェイのUAE戦がポイントとなった。ハリルホジッチ監督はそれまで控えGKだった川島永嗣をスタメンで起用し、長谷部がケガで不在のボランチに今野泰幸を指名した。システムも4-2-3-1から4-3-3へ変更した。川島は所属クラブでリーグ戦の出場がなく、今野はおよそ2年ぶりの代表復帰だったが、チームは2対0の勝利を収めている。
今回の最終予選でも、主力を欠くことがあるかもしれない。決断を迫られる場面で、森保監督はどのような采配を振るうのか。それもまた、最終予選を左右することになる。