■西アジア勢に囲まれた韓国に比べると…

 W杯予選は「移動との戦い」でもある。2連戦の1試合目がアウェイで、2試合目がホームの日程では、自国で戦うアドバンテージが薄れてしまうことがある。

 グループBの韓国は、苛酷なスケジュールを突きつけられた。ポルトガル人のパウロ・ベント監督が率いるチームは、イラン、UAE、イラク、シリア、レバノンと、西アジアの国々に囲まれて最終予選を戦う。長距離移動と時差をどのように克服していくのかが、韓国にとっては大きなポイントになるだろう。

 ひるがえって日本のグループは、西アジアの国がサウジアラビアとオマーンだけだ。中国は移動距離が短く、ベトナムも5、6時間のフライトだ。オーストラリアはもう少し飛行時間が長くなるが、時差はほとんどない。

 海外組と国内組で移動距離や時差が異なるため、負担の大きさをひとまとめに語ることはできない。それでも、悪くないスケジュールと言うことはできる。11月はベトナム、オマーンとのアウェイ2連戦だが、オマーンへの移動は東京発よりベトナム発のほうが距離的に近い。

 11月の連戦の次は、来年1月27日と2月1日だ。本来なら代表チームは活動しない時期だが、ヨーロッパでプレーする選手はシーズン中だ。コンディションに問題はない。

 一方、Jリーグはプレシーズンのキャンプ期間にあたる。21年シーズンのJ1は12月4日が最終節だが、リーグ戦の試合数は通常よりも多い。休養期間は必要だ。中国、サウジアラビアとのこの連戦はホームゲームだが、オフ明けでいきなり最終予選に臨むのはリスクがある。国内組のために、テストマッチを組む必要もありそうだ。

 3月はオーストラリアとのアウェイゲームと、ベトナムとのホームゲームである。過去の最終予選を振り返っても、オーストラリアとの9試合目が大一番になる可能性は高い。引分けでも予選突破が決まる状況で、敵地オーストラリアへ乗り込みたい。

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