【UEFA EURO2020 ラウンド16 ウェールズvsデンマーク 2021年6月26日(日本時間25:00キックオフ)】
そして、クリステンセンを決して放っておけない理由はまだ2つある。
デンマークが試合途中でこの修正をしてくるのは今回が初めてではない。グループリーグ敗退の危機に立たされたロシア戦、2点差以上の勝利を目指していたデンマークは1点リードの状態からクリステンセンが豪快なダイレクトミドルシュートでゴールを決めた。前線で攻撃を重ねたデンマークのボールをロシアがなんとか跳ね返したところでの一撃のイメージは強烈で、いつ動くかわからない、という怖さが伴うようになっていた。
そしてそれよりも前のベルギー戦、チームは敗れたものの、クリスティアン・エリクセンを欠いたこの試合で見られたのは、クリステンセンがどんどん縦パスを通す姿だった。
これらの前フリは確実に効いていた。この試合でも直線的なパスを披露する場面はあり、ウェールズにしてみれば使われずに漂っている彼は、いわばいつ本気を出すかわからない眠れる獅子状態だ。そんな存在をライン間で自由にさせるわけにはいかない。