19日間で9連戦。2021年5月28日から6月15日にかけ、男女A代表、U-24代表合わせ、サッカー日本代表は怒涛の日程となった。五輪最終選考のための対ジャマイカ戦、ピクシーの愛称で知られたドラガン・ストイコビッチ監督率いるセルビアとのA代表親善試合、そしてなでしこ……大住良之、後藤健生のサッカージャーナリスト2人が徹底的に語り合う!
■過去最強の五輪代表
―今日のゲームを見ると、メダルへの期待も高まりますが。
大住「可能性はあるよね」
後藤「アンダー24は、今回3試合をやったわけだけど、それを見る前、つまり5月の末の段階での評価と比べると、断然メダルへの可能性は高くなったと感じたね。今までは、やっぱりメダルは取って欲しいけど、どうなのかなっていう気持ちは正直あった」
―どうかな、というのはグループリーグ突破ですか?
後藤「そう。グループリーグ敗退でも、準々決勝敗退でも。どちらにせよ相手が強いからな、と思っていたけど、今回のオーバーエイジ枠3人が入って、チームと非常にうまく融合しているのを見て、これなら行けるといったような気持ちが、僕の中で大きくなっていった」
大住「そうだね。この1年間は日本の選手にとっては、とても大きいよね。日本人選手は外国人選手と比べると成長が少し遅いから、23歳時点で太刀打ちできなかった相手に、24歳で何とか戦えるようになる。そういうことが起きると、チームにとっても大きな前進になるんじゃないかな」
後藤「これまではオーバーエイジ枠というのは、監督が使いたい選手を呼べなかったり、すったもんだが起きたし、合流してもなかなかチームとうまく融合ができなかった。今回の3人がチームに加わって、そして初めての試合からはまった。これはA代表とオリンピック代表が入れ替わり立ち替わりやっていた効果でもある、と思うよね。そういう意味でも過去最強だと思う。たとえば冨安だってオーバーエイジみたいなもんでしょ?年齢は下だけど、A代表のレギュラーとしてバリバリ戦っている選手なんだから」