■「日本代表の4バックは…」

 それ以上にすらすらと選手の名前を挙げる場面があった。日本代表の印象について聞かれた際のことである。

 最初は「日本代表というチーム全体を注意しなければいけない」とはぐらかしたが、再度質問を受けると、話は止まらなかった。

「植田、谷口、室屋、長友の4バックだよね? 橋本を真ん中にして、守田が常に彼のそばにいて、伊東や鎌田、南野もいる。浅野、または原口といった選手たちもいる。このチームは非常にスピードもテクニックもあって、ドリブルが得意な選手もいる。特に右サイドかな? 鎌田も良い選手。南野が左なのか真ん中なのか、始まってみないと分からないが、攻撃的な選手は走るスピードだけじゃなく、パスのスピードにも皆が気をつけないといけないと考えている」

 情報は完璧に頭に入っており、相手選手を背番号ではなく名前で呼ぶのは、さすがは日本での暮らしが長かったストイコビッチ監督というところだろう。

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