■「戦術的にはアジアも変わりはない」
さらに、日本、中国で指導者としてのキャリアを積み、本場のヨーロッパで監督をする違いを聞かれた際のことだ。ストイコビッチ監督の日本愛が隠せなくなっていく。
体のサイズやスピードといったフィジカル面の違いがあることは認めつつ、「戦術的にはアジアも変わりはないと考えている」と、見下すことはない。
「欧州と他の大陸の選手を比べると、フィジカルが一番大きな違いではないかと思う。しかし、日本人はそのハンディキャップを補って余りあるものを持っている。フィジカルのハンディキャップがあるからといって、サッカーができないわけではない。アジアのチームがそういうハンディキャップを乗り越えて、強いチームや大きな選手がいるチームに勝つのが不可能なわけではない」
もはや、日本に向けてのエールになっていた。
日本のサッカーについては、結果や順位をチェックするくらいしかできていないと話したが、「全体としては日本のサッカーはやはり進歩している。日本人のメンタリティとして努力するというものがあるからね。年々日本のサッカーは良くなっていると信じている」と語った。「ハイ、ドウモ」「マタネ」。日本語と一緒に笑顔を残して、ストイコビッチ監督は会見を切り上げた。
キャプテンのミトロビッチなど、セルビア代表には巨躯を誇る選手たちが多い。その強豪チームを相手に何ができるのか、11日は日本代表がストイコビッチ監督にその実力を披露する場でもある。