■若手主体のセルビアの思惑とは…?
今回の5連戦で最注目のカードだ。6月11日、ノエビアスタジアム神戸で行なわれる日本代表対セルビア代表戦である。
5月28日のミャンマー戦を皮切りとした5連戦は、そのうち3試合がカタールW杯アジア2次予選で、6月3日のジャマイカ戦はU-24日本代表戦に振り替えられた。アジア以外との対戦はセルビア戦だけで、ヨーロッパ勢との試合はロシアW杯のベルギー戦以来となる。
セルビアは主力を外してきた。
2018年ロシアW杯メンバーで3月のアゼルバイジャン戦に先発したMFドゥサン・タディッチ、MFセルゲイ・ミリンコビッチ=サヴッチ、MFフィリップ・コスティッチ、FWルカ・ヨビッチが来日していない。また、歴代最多の41得点を記録しているアレクサンダル・ミトロヴィッチ、今シーズンのセリエAで得点ランク4位の21ゴールを記録した21歳のドゥシャン・ヴラボビッチも、当初はメンバー入りしていたがメンバーから外れている。
7日のジャマイカ戦では、18歳のネマニャ・ヨビッチと21歳のデヤン・ヨヴェリッチが前線で起用された。彼ら以外にも20歳の選手が3人、21歳と24歳の選手がひとりずつ起用されている。つまり7人が、東京五輪世代だった。
ベストメンバーでないとはいえ、アジア2次予選とはレベルの違う相手だ。経験の少ない選手たちにとっては、格好のアピールの機会となる。6月に行なわれた過去のテストマッチを振り返っても、選手の顔触れと試合の結果には必ずしも関連性がない。ベストメンバーでもモチベーションの低いチームはいたものだ。
指揮官ドラガン・ストイコヴィッチにとっては、思い出深い日本での采配となる。恥ずかしい姿は見せたくないはずだ。選手にとっても監督にとっても、日本戦は存在感をアピールしたい一戦と考えられる。