■アディショナルタイムの同点弾

 それまで、一度もチャンスらしいチャンスを作れなかった浦和だったが、28分に左サイドで明本考浩から興梠、関根とパスがつながる場面があった。「チャンス」と言えるほどのものではなかったが、それでもこれが初めて相手陣内深くまでパスがつながった場面だった。

 そして、これをきっかけにその後は浦和が神戸ゴールに迫る場面が増え、30分には宇賀神友弥のパスを受けた関根が初めてのシュートを放った(大﨑がブロック)。

 そして、前半のアディショナルタイムには、左の関根から右サイドの田中達也に大きなサイドチェンジ。これを田中がボレーで折り返すと、中央に上がってきた伊藤敦樹が決めて浦和が1対1の同点に追い付いたのだ。

 神戸の守備陣としては田中に対しても、伊藤に対してもマークの距離を開きすぎていた。

 その瞬間、先ほどまでは楽観的な雰囲気に包まれていたノエビアスタジアム神戸は静寂に包まれてしまった。

 結局、前半45分はほぼ完璧にゲームを支配し続けた神戸が3分の先制ゴール以降、チャンスの山を築きながら2点目を決めることができず、逆に浦和は相手のプレッシャーが甘くなる時間を待って攻勢をかけて数少ないチャンスを決めて同点とした。

※第3回につづく

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