【J2分析】磐田の「極上の黒子」41歳・遠藤保仁「そこにいること」の凄味の画像
ジュビロ磐田の遠藤保仁 撮影/原壮史
41歳の遠藤保仁が躍動した北九州対磐田戦 20210605 

【明治安田生命J2リーグ 第17節 ギラヴァンツ北九州vsジュビロ磐田 2021年6月5日 14:03キックオフ】

 この日、博多に行く前に小倉に寄ることにした。

 U24日本代表の試合が博多のベスト電器スタジアムで行われる5時間前に、小倉のミクニワールドスタジアムでギラヴァンツ北九州vsジュビロ磐田の試合があったからだ。

 最近の磐田は、圧倒的な強さを見せているわけではないものの、目の前の試合をしっかりと勝ちきる姿を見せて順位を上げてきている。

 その中で欠かせない存在はやはり遠藤保仁だ。

 最近の遠藤は、司令塔としてチームの勝利に直結するプレーを連発するのではなく、チームの脆弱な部分を見つけてカバーしているという印象が強い。ルキアン山田大記大津祐樹らが相手を強引に押し込んでいく場面になるとボールに関与することが少なくなることもあって、攻撃面で派手に目立つことは減っているが、そこに至る前に問題が起こった時や攻撃を弾き返された時、あるいは相手のカウンターになろうかという時になるといつの間にかそこにいる。

 相手に上手く対応されてボールの行き場がなくなってしまうと、遠藤がスッと寄ってきてボールの一時預かり所になる。そこから一気に前線にズバっとパスを通すわけではなく、じゃあ今度はこっちで試してみようか、と別の手段を提案するかのようにボールを近くの味方に渡し、失敗を回避したというところで一仕事を終えることが多い。

 ただし、それを絶えず繰り返すので大きな意味を持つ。そうやっているうちに前線の選手にボールが渡り、自身のセットプレーを含めてゴール前に人数を多くかけられる場面が増え、続けているうちに得点が生まれる。

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