川崎を“本気にさせたプレー”家長昭博(1)鬼木監督の「早く来い!」を無視してかけた負荷の画像
川崎FW家長昭博は交代の際、ギリギリまで体を動かしていた 撮影:中地拓也

■5月26日/J1第16節 湘南ベルマーレ川崎フロンターレ(レモンガス)

 川崎フロンターレにとって19戦無敗をかけて挑んだアウェイ湘南戦は、途中まで敗戦の雰囲気漂う際どい展開だった。レモンガススタジアムのピッチの上で川崎は前半からパスを回すことができず、逆に湘南の選手のスパイクは意気揚々と前進した。連戦の疲労もあっただろう。また、選手を入れ替えながら臨んだことで、緻密なパスワークを生命線とする川崎の“パラボラアンテナ”はやや敏感にもなっていたはずだ。

 前半終盤に川崎が押し込む時間帯もあったものの、いつものような迫力には欠けた。川崎のチャンスの多くは浮き球のクロスに合わせたもので、他チームであれば何でもないことだが、本来は地上戦を得意とする青いユニフォームが、いかに自分たちのリズムを保てていないかを表していた。ホームでの試合ながら2-2で引き分けたベガルタ仙台戦後、クロスを多用して結局は追加点を奪えなかった展開に対して鬼木達監督が「外に時間がかなりあった。そこから進入するところがクロスだったり、どこで起点を作るかというところで、少し曖昧になった」と話したことが思い出された。

 昨季の鬼木監督は後半アタマから積極的に交代カードを使った。ハーフタイムの3枚替えなんてことも何度か見られた。この試合でもそれがあるかと思われたが、結局、同じメンバーで残り45分に挑んだ。

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