■ロナウドも決して順風満帆ではなかった
複数のハイレベルなリーグで得点王に輝くには、いかなる環境でも場を支配する圧倒的なパーソナリティが求められる。ロナウドには、それがある。いや、有り余っているということだ。
もっとも、イタリアに来てからの3年間は上出来とは言い難い。
ユベントスがロナウドを獲得したのは、言うまでもなくヨーロッパ制覇のため。16、17、18年と3連覇を成し遂げたレアル・マドリーの大エースを獲得することで、ビッグイヤーの奪還をもくろんだ。
ロナウドとしても、ファイナル5連敗のユベントスを頂点に導けば、異なる3つのチームをチャンピオンズリーグ王者に導くことになる。過去にこの偉業を成し遂げたのは、アヤックス、レアル・マドリー、ミランで頂点に立ったクラレンス・セードルフだけだ。
だがユベントスとロナウドのプロジェクトは、思い描いたとおりには進んでいない。ロナウド加入後、ユベントスは1年ごとに監督を替えながら、これといったスタイルを確立できなかった。ロナウドはゴールを決め続けているが周りとの相性は合わず、ロナウド加入後、10番パウロ・ディバラのゴールは半減。これはチームの問題でもあるが、もはやロナウドさえいればすべてが手に入るわけではない。