■格段に減ったシティの失点数
ポゼッションだけに頼らず、バリエーションに富んだフットボールを――。今季、シティは序盤戦で苦しんでいた。プレミアリーグ第9節でトッテナムに敗れた際には、9位まで順位を落とした。グアルディオラは4バックと3バックを使い分け、また従来の【4-3-3】だけではなく、ダブルボランチのシステムをも駆使しながら解決策を探していた。“カンセロ・ロール”と呼ばれるジョアン・カンセロの偽サイドバック起用法も発明した。
ただし、現在のシティにおいて特筆すべきなのは、堅固な守備だ。
グアルディオラがシティの監督に就任した1年目、2016-17シーズンの公式戦は、56試合で122得点60失点だった。今季はプレミアリーグ最終節を前にした57試合消化時点で122得点35失点だった。失点数は、格段に減っている。
「失点が多くては、プレミアリーグで優勝することは不可能だ。昨シーズンは、失点が多かった。だが、私が率いたバルセロナ、バイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティを見れば、失点が少ないことが分かるだろう」とグアルディオラは語っている。
「自分たちのゴールから60メートル離れてプレーをするなら、ボールを保持しながら相手のカウンターをコントロールしなければならない。そこでミスは許されない」。グアルディオラは、あくまでリアリストである。