「賢人」グアルディオラの実像(3) シティをCL決勝へと押し上げた「経験の還元」の画像
ペップ・グアルディオラ 撮影/渡辺航滋

 現在、世界最高の監督と言っていいだろう。

 ジョゼップ・グアルディオラ監督の率いるマンチェスター・シティが、チャンピオンズリーグ決勝を戦う。グアルディオラ監督にとっては、バルセロナで優勝した2010-11シーズン以来、10年ぶりのファイナルになる。

 その圧倒的強さと美しさを備えたバルサをつくり上げたため、「賢者」とも称される名将。だが、実像はそのイメージだけに集約されるものではない。

■シャビが明かした「ペップ・バルサ」の強さの秘密

 グアルディオラの指導を受けたシャビが、2008-09シーズンのインタビューで「ペップ・バルサ」の強さの秘密を明かしている。「正しいか分からないけど、僕はグアルディオラがチームにもたらしたものは規律だと思っている。それが一番重要だった」と語っているのだ。

「つまり、守備面の規律だ。スローイン、コーナーキックのセットプレーの場面やボールを奪うための帰陣。僕たちはスローインのトレーニングをしていたほどだよ。相手のスローインになった時、それぞれの選手に役割が与えられた。現在のバルサは、非常によくトレーニングされているんだ。(勝利は)偶然ではない。ペップがどれだけ仕事をしているか、世間の人たちは知らないだろう。彼はすべてのプレーをコントロールしようとする。特に、ディフェンスの部分で、実際にそうあるべきなんだ。対戦相手へのケアを怠れば、あっという間にやられてしまう。危険なシーンが少なく、多くのチャンスをつくれているのには理由がある。それはペップがラ・マシアで学び、必死に働いて磨いたアイディアなんだ」

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4