■味はバツグン!
プラハを観光しながらレストランに入ってメニューを見ていたら「豚の膝1キロ」という文字が目に入ってきました(ドイツ語か英語で書いてあったと思います)。豚の……膝、……1キロ……。どんな料理か想像できません。迷った挙句、僕は好奇心にかられて、その膝を注文しました。
出てきたのは大きな「塊」でした。豚の膝の部分のローストです。
しかし、それは想像以上に美味しかったのです。外は皮がカリカリに焼かれていて、その中にしっとりとジューシーな肉。さらに、骨の周りにはトロトロとした軟骨……。様々な触感が混じり合っています。コラーゲンもたっぷりで、栄養満点です。
ただし、これを食べるには解剖学的な知識も必要です。骨や軟骨が複雑に絡まっており、ナイフとフォークを使ってそれを外しながら食べなくてはなりません。肉と骨の塊との格闘が始まりました。蟹を食べる時と同じで、膝を食べる時、人は寡黙になってしまいます。
こうして、1時間近くにわたって格闘を続け、僕は膝を征服。完食しました。連れは、普通のステーキを頼んだんですが、とっくに食べ終わっていました。そして、完食を祝って万歳をしていると、隣の席にいたドイツ人のグループが拍手を送ってくれました。肉を食らって肉食民族から拍手をもらったので、僕は満足しきって、ビールの大ジョッキを空けたというわけです。
なお、豚の膝(もしくは足首)は東ヨーロッパではかなりポピュラーな食べ物で、その後、ポーランドなどでも何度も食べました。