■両チームの守備の性質

 両チームとも、本来は攻撃的なサッカーを目指すシーズンとするはずだった。C大阪は、そのためにレヴィー・クルピ監督をブラジルから呼び戻した。G大阪も、日本で実績のあるブラジル人アタッカーを複数名迎え入れた。

 だが、現状で両チームともに目立つのは守備面である。ただし、その性質は随分と異なる。

 リーグ開幕戦で柏レイソルに2-0と勝利したC大阪は、第2節で川崎フロンターレと3-2と打ち合うなど、複数得点の試合を重ねていた。

 ただし、川崎とFC東京に連敗を喫するなど、結果はついてこなかった。事態が好転し始めたのは、守備が安定してからである。

 昨季までチームを率いたロティーナ監督が植えつけた、守備への高い意識が活きているのかもしれない。全体がコンパクトな4-4-2の陣形を保ち続け、相手に中央からの侵入を許さない。4バックはゴール前で緊密な隊列を崩さず、相手ウィンガーへの対応にもサイドバックではなくサイドハーフがあたっている。

 前節の浦和レッズ戦では、攻撃面で重要なアクセントとなる清武弘嗣を前半のみでベンチへ下げた。その理由についてクルピ監督は、守備面での強度が物足りなかったと説いている。それほどまでに、組織としての守備が重視されているのだ。

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