ペドリ、デンベレ、デストら台頭も…「バルサとクーマンの悩みの種」が尽きない理由の画像
国王杯でバルセロナはタイトルを獲得 写真:ロイター/アフロ

 解決すべき問題は、依然として多く残されている。

 今年3月、ようやくバルセロナのトップが定まった。ジョアン・ラポルタ氏が再選する形で会長に就任。リオネル・メッシとの確執が取り沙汰されていたジョゼップ・マリア・バルトメウ前会長が辞任してから、およそ5ヶ月後のことだった。

■クーマンの手腕

 注目を集めるトピックスのひとつが、ロナルド・クーマン監督が続投するか否かだ。クーマン監督を招聘したのはバルトメウ前会長であり、現行契約は2022年夏までとなっている。

「私は自分の仕事をしなければいけない。契約をあと一年残している。(進退に関して)質問を受けるのは不思議な気分だ。だが勝利あるいは敗戦によって何が起きるかは理解している。監督としての仕事を受け入れており、そこに喜びを感じている」

 とはクーマン監督の弁だ。

 だが元々、ラポルタ会長のクーマン監督への信頼がなかったわけではない。2003年に、初めて会長選で当選を果たした際に、ラポルタがクーマン監督の招聘を検討している。当時、アヤックスを率いていたクーマンを呼ぶには、契約解除金を支払う必要があった。そのためラポルタはクーマンを断念。フランク・ライカールト監督を就任させた。

 ライカールト指揮下で、バルセロナは2005-06シーズンに念願だったビッグイヤー獲得を果たす。しかし、その後主力選手の高齢化と世代交代の失敗でチームは低迷し、2008年夏にペップ・グアルディオラ監督がBチームから昇任する格好でバルセロナの指揮を執ることになった。

 ライカールトとグアルディオラ。ラポルタ会長が選んだこの2人には、共通項がある。彼らは若く、また監督としてのキャリアと経験が浅かった。それでもラポルタは彼らに賭けた。そして、その賭けに勝利したのだ。

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