■ラフプレーにも吹かれなかった主審の笛

 さらに30分には、川崎DF山根視来のパスを受けて右から抜け出そうとしたFW知念が中盤で福岡DF宮大樹につかみ倒された。しかしこれも「ノー・ファウル」の判定。ゴールまでの距離を考えれば、いきなり「DOGSO(決定的得点機会の阻止)=レッドカード」とまではいかないだろうが、突破しようとするところをつかみ倒したのだから、イエローカードは当然の場面と思われた。

 このプレーの数分前には、ドリブルでボールを運ぼうとしていた遠野に対し福岡FW渡が戻りながらジャンプして両足で挟み込むように倒した。ボールが川崎の選手に渡ったため、家本主審はアドバンテージを適用したが、大けがにつながりかねない乱暴なプレーにも、プレーが切れた後にイエローカードが示されることはなかった。

 冷たい雨のなか、闘志と闘志のぶつかり合いとなった試合。この天候でもピッチコンディションは非常に良く、雨自体が試合に大きな影響を与えたようには見えなかったが、家本主審の判定により、試合は前半の終盤に近づくにつれ「激しさ」から「ラフ」へと針が振れ始めたように感じられた。

 42分には、車屋のクリアを受けて突破しようとした川崎FW長谷川が、戻ってきた福岡カウエに引き倒された。足で行かず、手で長谷川の肩をつかんで引き倒したのは、「きょうは腕のファウルは取られない」と見切ったブラジル人MFらしい「したたかさ」だったのだろうか。当然、家本主審はプレー続行をうながした。

※第2回に続く

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