【CL分析】レアル・マドリード3季ぶり4強!リバプールをしのいだ「鉄の結束」とジダン采配の画像
モドリッチは、守備でもチームへの献身を続けた 写真:ロイター/アフロ

UEFAチャンピオンズリーグ 準々決勝 2ndレグ リバプールvsレアル・マドリード 2021年4月14日(日本時間28:00キックオフ)】

 開始早々に、レアル・マドリードは手負いのリバプールの危険性を十分に認識したはずだ。

 キックオフから2分後のことだ。カゼミーロカリム・ベンゼマに入れた縦パスをアンドリュー・ロバートソンにカットされ、すかさずロングパスを送られる。一気にゴール前に迫ったサディオ・マネが折り返した先に走り込んでいたのはモハメド・サラー。この1対1の大ピンチをGKティボー・クルトワが冷静に防いでいなければ、試合の流れは大きく変わっていたはずだ。

 その2分後には左サイドを抜け出したマネに、早いタイミングで芝生の上を滑るクロスを送り込まれ、やはり冷や汗をかかされている。中途半端に前に出て、高くなった最終ラインの裏を取られるのは避けなければならない。危険なプレーを2度突きつけられて、R・マドリード全体の意識が変わった。

 ボール保持率は、ほぼ五分五分だった。だが、縦に速いボールを送りたいリバプールに対して、R・マドリードは急いでボールを前に動かさない。ハーフウェイラインを越えては、焦らず後ろへ戻して様子をうかがう。ファーストレグでロングパスから2ゴールを導いたトニ・クロースにはロベルト・フィルミーノジョルジニオ・ワイナルドゥムがけん制を忘れなかったが、ルカ・モドリッチも幅広く動いてボールの逃げ道をつくった。序盤にR・マドリードがリズムを変えたことで、試合の流れも変化していった。

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