五輪仕様の「なでしこジャパン」全貌(1)7月も中心はFW菅澤優衣香・岩渕真奈の画像
菅澤優衣香 なでしこジャパン 撮影/原壮史

圧勝したパラグアイ、パナマ戦の2試合を分析すると、東京オリンピックに向かう女子代表の全貌が見えてきた。そして、そこには、「WEリーグ」発足前夜の日本女子サッカーの新しいトレンドに呼応する変化があった。再び世界で戴冠するために、“なでしこジャパン”が見据える未来とは――。

■“なでしこジャパン”圧勝の受けとめ方

 東京オリンピックを目指す日本女子代表(なでしこジャパン)が約1年ぶりに活動を再開し、4月8日の仙台でのパラグアイ戦に続いて11日には東京・国立競技場でパナマと対戦。2試合とも、7対0というスコアで完勝した。

 男子日本代表が韓国とモンゴル相手に快勝し、Uー24日本代表がアルゼンチンと互角に戦ったのに続いて、女子も好結果を出したことは喜ばしいことではある。

 とはいえ、対戦相手のパラグアイ、パナマは明らかな格下の相手。パラグアイがFIFAランキングで47位、パナマが59位だが(日本は10位)、女子の場合、男子と比較してランキングによる実力差は大きい。

 7対0というスコアだけではない。シュート数などの数字を見ても、まったく一方的な試合だった(不思議なことに、シュート数を見ると、どちらの試合も日本のシュート数が26本で、パラグアイ、パナマがともに2本とまったく同じ数字だった)。

 とにかく、圧倒的な戦力差のある試合だっただけに、結果だけで大勝を賞賛することはできないのはもちろんだが、だからと言って「格下相手に大勝しても無意味だ」と斜に構えて批判だけをするのもナンセンス。しっかりと内容を見て、評価しなければならない。

 では、2試合から何を読み解くべきか……。

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