■シュート数バイエルン31本に対してパリ6本
最終ラインからのパスがカットされた瞬間、ボールを受けられなかったネイマールは冷静だった。インターセプトの勢いのままに前に出たレロイ・サネに襲いかかるわけでもなく、ゆっくりと追走する。一瞬だけ振り返り周囲を確認したところで、奪いどころは決まっていた。サネを少し泳がせたのち、ゲイェと挟み込み。きれいにボールを奪い切って、反撃に移っていった。
ディフェンディングチャンピオン相手に、PSGが楽な展開を予想したはずはない。想定どおりボール保持率で上回られるのみならず、後半に入ると自在に動くバイエルンの選手たちを捕まえ切れない場面が増えていった。バイエルンの31本に対してシュート6本という数字が示す劣勢の中、2点を奪われたものの、GKケイラー・ナバスは好セーブを繰り出していた。白いユニフォームを汚して懸命に守った選手たちにも、賛辞が贈られるべきだ。
ただし、トップクラスの戦いにおいて、必要なのは違いをつくる選手だ。もちろん、2点を決め切ったムバペはまばゆいが、その若武者が輝く場面をつくっていたのがネイマールだ。少ないながら絶好機をつくり出し、最後までチームへの献身を忘れなかった真の王が、チームの中央に君臨していた。
ネイマールは先週末、リールに敗れたリーグアン首位攻防戦でレッドカードを受けている。相手選手との口論もあり、出場停止は2試合となった。ネイマールの大人びた表情は、一瞬顔をのぞかせただけなのか、それとも本物なのか。ホームで迎える第2戦で、答えが出る。
ネイマールのリベンジは、まだ終わっていない。
■結果
バイエルン・ミュンヘン 2-3 パリ・サンジェルマン
■得点
3分 キリアン・ムバペ(PSG)
28分 マルキーニョス(PSG)
37分 エリク・マクシム・シュポ=モティン(バイエルン)
60分 トーマス・ミュラー(バイエルン)
68分 キリアン・ムバペ(PSG)