■見事だったアシストと守備

 開始3分のPSGの先制点は、ネイマールのアシストで生まれた。プレーの始まりも、ネイマールだった。

 浮いたルーズボールを処理しようとするヨシュア・キミヒに、背後から忍び寄る。ボールをかっさらってパスしたネイマールは、そのまま前線へと駆けだした。帰陣するキミヒの裏を巧みに取り、さらなる加速でDF4人を引きつける。交差するように斜めに抜けたキリアン・ムバペにはニクラス・ズレがついていたが、その最後の1人も手玉に取った。

 ボックス手前でシュートするかのようにモーションをした時点で勝負あり。ズレが自分を向いた瞬間を見逃さず、ムバペに柔らかくパスをプレゼント。新・天才児が先制点を決めた瞬間、ネイマールはDF5人を無力化していたのだ。

 28分の2点目も、ネイマールのアシストだった。CKの流れから、1タッチで送ったボールでマルキーニョスのゴールを生んだのだ。

 だが、その前にも「1点もの」の場面があった。12分、やはり起点はネイマール。ムバペに出したパスはオフサイドだったのだが、その一連のプレーではユリアン・ドラクスラーがゴールネットを揺らしている。

 見事だったのは、パスではない。守備だ。

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