■2つの代表が共鳴し、Jリーグにも大きく影響
大分戦では、“代表帰り”の5人に注目していたのだが、やはり、代表での活動を通じてそれぞれが得た自信だったり、逆にそこで経験した口惜しさやフラストレーションが川崎でのプレーにもそのまま現われていたように思えて、とても興味深かった。
つまり、代表で自信を深めた山根と田中は一段と成長したように見えたし、代表で危機感を抱いた(であろう)三笘は「貪欲さ」を発散させてプレーしていた。
3月の代表ウィークではA代表とUー24代表が別個に活動したのだが、互いが刺激を与えあっていたようにも感じた。A代表が韓国に完勝したことがUー24代表に刺激を与え、また、Uー24代表が第2戦でアルゼンチンに勝利したことでA代表の選手も安易なプレーができなくなって、モンゴル戦では大量得点が入った後も(後半のアディショナルタイムまで)まったく気を抜くことなく真剣にプレーすることによって14ゴールが生まれた。
別の場所で、別の相手と戦っている2つの代表チームが共鳴し合っているようだった。
そして、その代表でのプレーぶりが再開されたJリーグでのプレーにまで影響を及ぼしたのだ。川崎の5選手だけでなく、今回は昨年からJリーグで活躍した若手や中堅の選手が数多く招集されて、Jリーグの選手も海外組に遜色がないプレーができることを証明して見せた。
そうした経験は、それぞれの選手に自信と意欲を与えるだけでなく、Jリーグでプレーする他の選手にも大きな刺激になることだろう。3月の代表チームの活動は単に代表の強化につながっただけでなく、Jリーグ全体にとっても大きな刺激になっていたように思えるのだ。