■勝ち点0の最下位という状況が……
結局、そのキープからコーナーキックを獲得して更に時間を使うことはできず、その後は再び柏に押される展開となり、90分にとうとう同点ゴールを奪われてしまった。
追加点を奪う、あるいは、試合を終わらせる。そのどちらに徹することも難しかったのは、ここまでのリーグ戦の結果が大きく影響したのだろう。
6試合を消化して勝ち点0の最下位。そんな状況で1-0で迎えた試合終盤は、何をするにしてもデメリットが頭をよぎってしまい、どっちつかずになりやすい。
この結末は横浜にとって悪いものになってしまったのだろうか。
連勝中のチームであれば、その勢いを失うきっかけになってしまうかもしれない。しかし、今の横浜にとっては悪いものではないだろう。
最後の最後で追いつかれ、3ポイントは獲得できなかったが、7試合目にしてようやく1ポイントを得たことはとても大きい。苦しみ、もがき、なかなか歯車が噛み合わないチームにとって、勝ち点の獲得は最良の薬になる。
齋藤功佑は試合後「選手もスタッフももがいている中で、まず意識のところから変えよう、と共通意識を持って挑んでいる」と明かした。試合中も前半から南雄太や田代真一、韓浩康らが絶えず言葉で確認をし合いながらチーム全体で同じ方向に進もうとしていた。
誰もが危機感を持ってこの事態を乗り越えようとしている中で苦しみながらようやく手にした1つの引き分けは、その終わり方も含めて、次の初勝利に向けて迷いを消してくれるポジティブなものになったに違いない。
■試合結果
横浜FC 1―1 柏レイソル
■得点
38分 田代真一(横浜FC)
90分 大南拓磨(柏レイソル)