【明治安田J1リーグ 第7節 横浜FCvs柏レイソル 2021年4月3日 17:00キックオフ】
1-0で迎えた83分、横浜FCは一気に3人を交代した。投入されたのは瀬古樹、伊藤翔、小川慶治朗だ。交代の直前には下平隆宏監督が再度声をかけに行っており、とどめを刺して勝利を確実なものにするための交代かと思われた。
すぐに小川が中盤で体を張り、そこからドリブルでどんどん前へと進んできた。仲間隼斗のスライディングによってボールは外に出たものの、久しぶりに横浜に勢いがもたらされ、早速交代の良い効果が表れていた。
そのスローインで袴田裕太郎から小川にボールが渡ると、コーナーでキープすることを求める声が飛んだ。ここでこの交代の印象は大きく変わった。
仲間とマテウス・サヴィオ、という攻撃の選手をボランチの位置に置いて同点ゴールを奪いに来ている柏に対し、どうやらこれは瀬古や小川が単独でサイドを上がって伊藤がフィニッシュという追加点のための交代ではなく、サイドでボールを運び身体も張れる瀬古と小川、相手を背負ってもボールを収められる伊藤、という3人には、試合を閉じる役割が期待されているようだった。
圧を強める柏に対し、アディショナルタイムまで入れればまだ約10分あるタイミングでそれを選ぶのは、消極的であり少々早すぎるのではないか、と感じると同時に違和感もあった。
コーナーでキープすることに徹するのであれば、小川ではなく伊藤が担当した方が力負けせずに長く時間を使えるのではないか?小川がキープするとしても、なぜ単独でそれをしなければならないのか?
違和感の正体は、徹底的に試合を終わらせにきた、というわけでもなさそうだったからだ。