■「やっぱり観客は大事だよ」
大住「オリンピックが終わったら、彼らがライバルになるわけだからね。40人でワールドカップに行けないし」
後藤「今回は2つのチームが同時に活動したんだけど。フル代表が韓国に3-0で勝ったのは、オリンピックチームの良い刺激になったし。2つのチームが上手く共鳴したよね」
大住「今まで森保監督は、1チーム2カテゴリー、って言葉に出していたんだけど、活動はバラバラでズレていた。けど、今回はまさにそういう活動だったよね。だから、日本A代表の韓国戦とモンゴル戦、そしてアンダー24のアルゼンチン戦と、その2種類の試合を別々には考えられない。お互いに関連付けて、お互いに意識しあって、お互いにその中から何かを学びあって。4試合分を1チームでやった感じ」
後藤「オリンピックの本大会があるかどうかは、まだ分からないけど、もうすぐだし。A代表のほうは、ワールドカップの最終予選が始まるのも、そう遠くはない。その時には、オリンピックチームが合流するわけだし、そういうモチベーションを上げる要素がいっぱいあったよ」
大住「サッカーの世界では、あと3、4か月後っていうのは、本当にすぐなんだよ。4か月後には競争相手になるわけだから」
―では30日のフル代表の選手たちも目の色が変わっていたと?
後藤「モンゴル相手に、とにかく点を取らなきゃって思ったはず」
大住「だから30日の試合が終わった後に、森保監督にチームが前進しているという手ごたえはあるか、っていう質問をしたら、ある、と彼は答えたんだけど。本当はアンダー24を含めて、カタールへ向けて前進しているかっていう話。それは森保一監督も、すごく感じているんじゃないかなと思うよね」
後藤「こういう状況で、ずっと代表が活動できなくて、いつ再開できるかもわからなかったのに、去年の秋から活動できるようになった。そういうフレッシュさもあるしね。それまでは、何度も代表戦で日本とヨーロッパ往復するのは勘弁してくれよ、と思った選手もいるかもしれないけど。代表でできるというのは、すごく新鮮な感覚で。ヨーロッパは無観客でしょ?そういう中で日本に帰ってきて、お客さんの前で試合ができたし。いろんな刺激になったよね」
大住「それで言うと、29日の北九州の試合はすごかったよね。ほとんど満員の観客が入ってるような感じ。実際は7302人だったんだけど、でもスタジアムの雰囲気は満員という感じだった。声は出さないけど、やっぱり観客が与える影響が大きいよね」
後藤「緊急事態宣言が出ていた首都圏とは違ったから、飲食店も夜中11時ぐらいまでやっていたしね。東日本大震災のあと、大阪に行ったら、みんな電気がついていた。あの時の感覚に近いかな」