■メダルを狙うならOAの招集は不可欠だ
今回の2試合で、オーバーエイジ(OA)の必要性が明確に感じられたポジションはなかった。しかし、表彰台を目ざすなら、それも一番上を目標にするなら、OAを使うことに異論はないだろう。
横内昭展監督は「1試合では負けている」と話したが、五輪のグループステージでは同じ相手と2試合連続で戦わない。1度目の対戦を受けて2試合目に臨む、という戦いは基本的にないのだ。優勝候補と呼ばれるアルゼンチンに2試合目で勝ったからといって、彼らと肩を並べたと考えることはできない。アルゼンチン、ブラジル、スペイン、ドイツ、メキシコといった国を退け、金メダルを獲得する確率はまだまだ高くないのが現実だ。だからこそ、OAを加えるべきなのである。
所属クラブとの交渉は大前提だが、CBで吉田麻也、ボランチで遠藤航、1トップで浅野拓磨を招集したい。
吉田の招集が叶えば、冨安健洋との日本代表コンビが実現する。彼ら2人の前に遠藤が立てば、ディフェンスの安定感と安心感は格段に高まる。さらに、攻撃のセットプレーが強みになる。
遠藤については、複数ポジションに対応できるのも招集したい理由だ。16人のフィールドプレーヤーで戦う五輪では、ボランチに加えてCBとサイドバックでもプレーできる彼がチームの支えになる。
1トップは大迫勇也も有力な選択肢だ。最前線でのボールの収め役として、大迫を上回るタレントは見つけられない。ただ、所属クラブでの好調ぶりを現時点で評価すると、浅野にも魅力がある。
遠藤と浅野は16年のリオ五輪で、グループステージ敗退の悔しさを味わっている。5年前のリベンジを果たすとの思いも、彼らが自らを奮い立たたせる動機づけになる。
メダルをつかむならOAは呼ぶべきである。それだけは、現時点ではっきりしている。