■あまりに予想外だった壊れ方
10人になったバイエルンがなぜかノビノビとプレーし、17分、22分、23分とあっという間に3得点。その後も39分にロベルト・レバンドフスキのハットトリックとなるチーム4点目が入り、あまりにも呆気なく試合は決した。
レッドカードで試合が壊れたといえば壊れてしまったのだが、あまりに予想外の壊れ方だった。
10人になったバイエルンが調子を上げられたのは、攻撃の選手を交代させなかったことが大きい。中盤で出場していたダビド・アラバがデイビスの代わりに左サイドバックに回り、レオン・ゴレツカとトーマス・ミュラーが2人で3人分以上走っているかのように献身し続けることで、守備での数的不利を感じさせないまま、レバンドフスキ、ミュラー、リロイ・サネ、セルジュ・ニャブリといった前線を削らずに保つことができた。
しかし、どんなにバイエルンが数的不利を感じさせないとしても、シュツットガルトはボールを持てば必ず1人フリーになるはずだった。
そこを好きにやらせなかったのがバイエルンのハイプレスだ。選択肢を探す時間を与えず、シュツットガルトは考えてボールを繋ぐことができなくなってしまった。
攻撃で数的優位を活かせなくなってしまったシュツットガルトだが、守備では人数が足りているはずだった。ところが、サネとニャブリの両翼、そして最終ラインからニクラス・ジューレが単独で持ち上がってくることで、その数的優位の状況は失われた。