■「レッツ、ゴートゥ、フランス、トゥギャザー」
―その後は岡田監督に代わって、韓国ソウルへと行くわけですね。
後藤「韓国は自分たちの試合がない間に1位通過が決まってしまった。あれには、韓国の人もがっかりしただろうけど」
大住「ソウルで日本に勝って出場が決まる、という状況だったら、あんな試合にはならなかったはず」
後藤「そう。絶対韓国が勝っていただろうね。自分たちが試合のない間に予選突破が決まっちゃって、気が抜けて、日本に2対0で負けちゃった」
(※1997年11月1日のソウルでのフランスW杯最終予選。岡田武史監督の下、日本は名波浩、呂比須ワグナーのゴールで2対0で勝利。この後、プレーオフ進出を決めた日本はイランを相手にゴールデンゴールで勝利し、W杯初出場を決める。ジョホールバルの歓喜。)
大住「あの時に本当に驚いたのは、韓国が韓国じゃなかったこと。日本とやる時の韓国というチームは、“35年間の恨”じゃないけど、ものすごいものを背負っていつも戦っていたんだよね。
そういう相手だというのを覚悟しながら戦っていたのが日本なんだけど。それがあの時のソウルの試合は、韓国が本当にスマートなチームになっちゃって、日本がパンパンと点を取って、そのまま終わっちゃったのがびっくりだったよね」
後藤「なんであそこで韓国は、ここで日本を叩きのめそう、って思わなかったんだろうね。日本を完璧に叩き潰したら当分は立ち直れないだろう、って彼らが思っても不思議じゃないんだけど、そうじゃなかった。レッツ、ゴートゥ、フランス、トゥギャザー。の世界だった」